5.産業用大麻による商品について

 何を作るのか 石油からできる全ての製品が産業用大麻から作ることができるといわれ、2万5千種の工業製品の製造が可能だといわれています。 昭和23年の大麻取締法の制定以来、我が国の大麻栽培は僅か12ヘクタールで継承されてきたに過ぎません。

 そのため天皇家におさめる為の繊維として、おもに神事の素材としてなど、工業素材としての研究は全くといっていいほどなされていません。断熱材、壁材、紙、建材等のほか、自動車の内装材として、さらに生分解性プラスチックとしての多種多様の工業製品を生産できます。

 また実は食品として様々な可能性を秘めています。麻実油には75%以上の不飽和必須脂肪酸であるリノール酸とαリノレン酸が含まれています。これは一般に食べられている植物の中で最も高い値であります。

 しかし日本における最大の市場は、神社にあります。それは注連縄、鈴縄としての需要が最大見込めるものです。稲藁やビニール紐での永年の代用を本来の麻による注連縄、鈴縄に変えていくことが求められています。日本の伝統と文化の復興に欠かせない素材なのです。全て手作業で行われてきた日本の大麻産業にあっては、一件の農家では7~8反歩が限度といわれてきました。稲藁やビニール紐の注連縄を本来の注連縄に戻すためには機械工業化が必須であり、その条件を充たせるのは北海道だけだと思います。

 工場生産のために500ヘクタールをワンロットとするならば、北海道という地域特性を於いて他になく、その中に在って特に北見地域こそ最もふさわしい場所であります。硝酸性窒素過多という土壌性ばかりではなく、産業用大麻を栽培する植えでその植物特性としての重金属の吸着に注目できる。

 大麻取締法の施行以来57年間、北見地域では毎年の抜き取り作業にも拘らず、野生大麻としてその生命力を見せ続けてきました。それは鴻之舞の金山、イトムカの銀山、置戸の金、銀、銅山などを後背地に持つ北見地域の特性そのものが大麻の土壌としてきたということです。