2.大麻取締りの歴史

 大麻は古くは12世紀ヨーロッパにおいて大麻を原料とする製紙工場が作られ、大麻産業として成立していました。アメリカでは建国以来大麻の栽培が奨励されてきました。

 1930年代に入ると、デュポン社が木材からパルプを作る特許を取得します。同じころ石油からナイロンやビニールといった石油化学製品が発明されてきます。時を同じくしてアメリカ全体でマリファナキャンペーンがものすごい勢いで展開されることになりました。黒人が大麻を吸って白人女性に乱暴したとか、大麻の中毒症状で殺人や暴力事件の発生がアメリカ全土で多発するといった報道の中から、所謂マリファナキャンペーンによって、間もなくアメリカでの大麻撲滅運動が起こり、アメリカ48州のうち46州でマリファナ課税法が制定され、このときから大麻栽培は消滅したのです。

 日本では戦後GHQによって1948年(昭和23年)、大麻取締法が制定され、大麻の花と葉および栽培が規制の対象になりました。さらに1951年(昭和26年)には、それまで喘息の薬として薬局方で販売されていましたが、それも処方薬として禁止されました。しかし我が国においては古来より民族の伝統、文化として、皇室祭祀や伝統行事、神事、神社などに大麻の繊維が広く使われている為に日本の国庫に属する作物として、GHQといえども全面禁止することは出来ませんでした。

 その結果今日の日本国内にあっては、12,2ヘクタールの大麻栽培が細々と続けられています。