設立趣意

 近年、日本の経済情勢は長引く景気低迷、デフレの進行、製造業の海外シフトなど、非常に厳しい状況が続いております。日本の最北部に位置するここ北海道でも、これに加え、従来から地域の主力産業である土木・建築業を中心とした公共工事の減少により、一層厳しい経済環境にあります。

 私共、産業クラスター研究会オホーツクでは、地元産業界や大学関係者・行政機関等から成る任意団体でありますが、北海道東部・オホーツクエリアにおいて、産学官の連携により新たな産業の振興を目指すものであり、このような厳しい状況下、微力ながら地域産業の活性化に寄与したいと考えております。

 このたび、我々の研究会では、麻を合法的に活用した産業化プロジェクト「麻プロジェクト」を立ち上げ、地域の未利用資源である麻を有効に活用し、産業化を模索する活動を展開することといたしました。
 日本に置いては、現在、麻の栽培・所持が法律によって厳格に規制されていることから、その産業化に向けた研究や商品開発が進んでおらず、また一般の人々も「麻=麻薬=違法」という意識を持っているのが現状であります。 しかしながら、麻は様々な商品化が可能な植物であることや、その生態的特徴から脱石油社会・持続可能社会の構築といった観点でも近年全世界において注目されている植物資源であり、欧州各国ではその将来性に着目して次々とその栽培等が解禁されている状況にあります。
 我々としても、この麻を活用した新産業の創出・新商品の開発を通じて地域経済の活性化を実現し、また地球環境問題への取組の一端とすべく、前記プロジェクトを進めていく考えであります。

 つきましては、本プロジェクトの展開にあたりまして、関連する諸事項につきまして、是非とも貴職のご協力を賜りたく、ここにお願いする次第でございます。
 お願いしたい項目については、今後のプロジェクト展開の中で具体的なご依頼をして参りたいと考えておりますが、我々の意図するところをお汲み頂き、本プロジェクトの設立に至る趣旨と、このようなお願いをさせて頂く事になりました事情等ご賢察賜れば幸いと存じます。

 最後になりましたが、貴職のますますのご繁栄をお祈りする次第でございます。